推定40年代頃、イギリス軍『ピンクカモフラージュ アンチガスケープ』になります。
スーパースペシャルアイテムの入荷です。
数多くのブランドがサンプリングをしたり、業界人が蒐集したりと、ヨーロッパ圏の迷彩柄でも根強い人気を誇り、探されている方も多いこちらの1着。
正式名称は "Cape, Anti-Gas, No.1, Camouflaged," と呼ばれており、その名の通り、敵国の "ガス攻撃" から身を守る為に設計されたモデルとなっています。
1938年に正式採用された "Anti Gas Cape" ですが、最初期の個体では当個体の様な迷彩柄ではなく、亜麻仁油で撥水加工の施されたオイル生地によって仕立てられていたと言われています。
1940年以降の個体では、今回ご紹介する個体同様に、迷彩柄の生地が採用されたそうです。
第二次世界大戦中の1940年に初めて大量生産の迷彩柄として導入され、イギリス最古の迷彩柄と呼ばれる程、イギリス軍の迷彩柄を語る上では欠かせない存在です。
巷では、北アフリカの長距離砂漠挺身隊(LRDG)や特殊空挺部隊(SAS)が砂漠迷彩として着用していたと噂されていますが、その真偽については不明です。
その後戦争が進み、ガス攻撃の脅威が減少するにつれて、本来の着用用途である "対ガス用" ではなく、兵士がレインコートとして着用するのが一般的となったそう。
唯一無二な迷彩柄が目を惹きますが、アンチガスケープならではの独特なディテールも、大きな魅力かと思います。
右前合わせに大きく覆い被さる様な首元のフラップ・定間隔に打ち込まれたスナップボタン・ガス防護クリームと廃棄物を入れる為の箱型ポケット・良い意味で雑に開けられたベンチレーションホール等、シンプルながらも特徴的なディテールが醍醐味。
その中でも際立って目立つのは、盛り上がった背面の "コブ" でしょう。
制服の上から着用するケープだった為、バックを背負った状態でも違和感なく着用出来る様にと、コブの様な仕様になっているそう。
腕周りの可動域を広げる "ラグランスリーブ" 仕様というのも嬉しいポイント。
オーバーサイズで着用してもショルダーラインに沿って生地が落ちてくれますので、綺麗なシルエットでのご着用が可能となっています。
古さを感じさせない上品なAラインシルエットも、魅力的な理由の1つと言えるでしょう。
裾に向かって広がっていく強烈なAラインは、着用した時のシルエットが非常に綺麗且つ優雅。
ヨーロッパミリタリーの中でも、スペシャルカモフラージュに位置する当個体。
希少性はさることながら、ファッションアイテムとしての視点で見た時にも、非常に格好良い1着かと思いますので、是非とも気兼ね無く着用して頂きたいです。
サイズ表記は確認出来ませんが、日本サイズで "L ~ XL" 程度に該当するかと思います。
実寸値を見ても大きなサイズ感となりますので、大きな体型の方でも問題なくご着用頂けるかと思います。
元々衣服の上から着用する事を想定とした設計で作られていますので、基本的にどの個体に関してもサイズ感は大きくなっています。
アームホール・身幅共にたっぷりとした作りとなっていますので、様々な体型の方にお楽しみ頂ける1着かと。
汚れ・変色等の使用感はありますが、着用に問題のある大きなダメージは見受けられませんので、まだまだご着用頂けるかと思います。
かなり薄手の生地で仕立てられている関係で、見つかったとしても穴が開いていたり、破れが目立つ個体が多い印象ですので、このコンディションで見つかるのは稀かと思います。
大量生産が始まったイギリス最古の迷彩柄である "Pink Camouflage"
経年変化によるこの独特なカラーリングは、イギリスが誇る唯一無二の傑作で、後にも先にもこの1着だけでしょう。
ワードローブとしては勿論、コレクションアイテム・デザインソースとしても申し分ない1着。
国内外問わず滅多にお目にかかれない逸品かと思いますので、探されていた方や珍しいアイテムが好きな方はこの機会をお見逃しなく。